九州デザインセンター 熊本事業所の競争力

株式会社ジーダット

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九州デザインセンター 熊本事業所の競争力

【キーパーソンが語る当社戦略のコンセプト

九州デザインセンター 熊本事業所長に聞く
九州デザインセンター 熊本事業所の競争力

2014年10月、ジーダットは九州の熊本にデザインセンターを設立し、半導体の設計受託事業を開始いたしました。
熊本事業所で設計を行うのは、レギュレーターや車載用LSIなどの、アナログ半導体の回路です。EDAツールベンダーであるジーダットならではのデザインセンターの競争力について、九州デザインセンター熊本事業所長の工藤一広に聞きました。


なぜ、デザインセンターを熊本に?

リーマンショック以降、日本の国内では電子機器業界が厳しい状況に陥りました。半導体メーカーにおいても、選択と集中により大規模な組織再 編やリストラが起き、地方の設計拠点が数多く閉鎖されました。この影響で、これまで培ってきた日本の優秀な技術が散逸するような事態が発生しつつありました。
熊本においても、それぞれの事情で現地を離れることが難しかった技術者が保有している優秀な技術は、受け皿がないためにそのまま無くなって しまう、という危機にさらされました。そこで当社は、高いモチベーションを持った優秀な設計開発の人材を集結して、技術者集団:デザインセンターとして設立いたしました。

ジーダットのデザインセンターは何が違う?

まず、事業所に所属している設計者の技術レベルが非常に高く、かつ、守備範囲が広範なことです。そのためジーダットのデザインセンターでは、単なる設計受託に留まらず、企画の段階から製品のリリースまで、製造の工程や品質を一貫してフォロー出来ます。これは、一般のデザイン会社では非常に難しいことで、企画から製造までを熟知した設計者が所属しているジーダットだからこそ出来る大きな特徴です。
次に、ジーダットはもともとEDAツールのベンダーですので、自社で開発したツールを使って設計できるのが、他社にはない大きな強みです。ツ ールとの相乗効果で設計の効率化をはかることによって、設計のスピードと量、そして質の全てを高めることができます。
また、自社のツールを使って設計することによって、実際の現場で設計を行う設計者の目線で自社のツールを評価できますので、事業の中心であ る自社開発製品の品質や使い勝手などの向上にも、大きな効果を期待できます。

アナログ回路の再利用設計向け新製品との相乗効果

また、2015年の4月に販売を開始した『RVTCircuitSynthesis』にも大きな期待をしております。これは、既存のアナログ回路の効率的な再利用によって、設計時間を大幅に短縮できるツールです。熊本事業所では、このツールに加えてリファレンス(手本)となるIP(IntellectualProperty:知的財産、半導体業界では「ライブラリ」)を作成し顧客に提供することで、更に付加価値を拡大できると考えています。このように、新製品に関しても設計現場からのフィードバックにより、製品自体の競争力向上に貢献することが可能になります。

「半導体は厳しい」と言われる時代の勝算は?

国内においては、時流として半導体製造メーカーが縮小化の傾向にあることは事実です。しかし、逆にそのために、半導体メーカーは自社内での設計を中止したり縮小したりして、我々のようなデザインセンターへ設計を委託する、というケースが増えつつあります。設計と製造の分業によって体制をスリム化し、それぞれが技術を極めていこうとする流れであり、この流れに乗ることができれば、我々にとってはこの風潮はむしろチャンスであると言えます。
また、我々が行っているのは、全自動での設計が不可能な「アナログ設計」です。そもそも、人間という存在が「アナログ」である以上、アナロ グ設計が無くなることは考えられませんし、世界的に見れば、半導体というのはまだまだ右肩上がりの市場です。特に、昨今注目されているIoT (Internet of Things:インターネットをあらゆるモノに接続して活用すること)におけるキーデバイスは半導体であり、特にアナログ系の設計力が非常に重要になってきます。我々の持つアナログ系の設計力は、今後、IoTの分野へも寄与していけるものと確信しています。

「九州デザインセンター 熊本事業所が目指すところ

事業所の設立から半年、メーカー様から受託した設計を高い品質で行うことに専心しております。
大手メーカーで設計業務を行っていた頃に比べてお客様との距離が格段に近くなりましたので、ツールだけに留まらない設計力を駆使して、臨機応変にお客様に合わせたものがご提供できる点にやりがいを感じ、社員の士気はとても高まっています。
今後は、設計者が更にスキルを向上させ、自社で製品を開発できるほどの技術力を得ることを目指したいと考えております。その上で、設計受託 から1歩踏み込んで、半導体を設計するだけではなく、その設計のための環境やソリューション全体をご提案、ご提供できるような、総合的な設計力を持った技術者集団になりたいと考えています。


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*この文章は、当社第13期の株主通信に特集として掲載した記事を一部編集したものです